お知らせ

★残業が発生する会社は『36協定』の届出忘れはありませんか?(2022/11/19)

36協定

36協定とは、正式には「時間外・休日労働に関する協定届」のことです。労働基準法第36条が根拠になっていることから、通称「36協定(サブロク)協定」と呼ばれています。法定労働時間(1日8時間1週40時間(特例事業場は1週間44時間))を超えて労働させる場合や、休日労働をさせる場合には、会社は、あらかじめ従業員の過半数を代表する者や労働組合と、書面により協定を締結し、さらに、協定届を、所轄の労働基準監督署に届出なければなりません。

 


届出頻度:年1回

罰則

36協定届」を労働基準監督署に届け出ずに労働者に時間外労働をさせた場合、労働基準法違反となります。

 36協定に違反した場合の罰則:36協定違反に対する罰則は 「6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金」 です。

 

時間外労働の限度時間

 労使間で「36協定」を締結し届け出をしたら、いくらでも労働時間を延長できるかというと、そうではありません。「36協定」においては、「1日」、「1ヶ月」、「1年」それぞれについての延長時間を定めることができます。そして延長可能な時間には限度があります。

 

<労働時間を延長できる限度>

 

期間         一般の労働者                   1年単位の変形労働時間制の対象者

1ヶ月       45時間                  42時間

1年間       360時間                           320時間

実はこの上限設定には例外措置があります。例えばシステムの大規模改修の時期や受注が集中する時期には、上記の限度時間を超えた残業や休日出勤が発生してしまうことがあると思います。

 

これまでの労働基準法では、限度時間を超えた時間外労働が発生する可能性がある場合には36協定届の余白に理由と延長時間を明記すれば、明記された範囲内で36協定届に記載された限度時間を超えることが可能でした(36協定の「特別条項」)。つまりこの特別条項に延長時間を記載してさえおけば、労働者に無制限に残業をさせることが可能だったのです。これこそが日本企業における長時間残業の温床となっていました。この悪しき慣習を撲滅すべく、今回の法改正で「時間外労働の上限規制」が定められ、青天井だった残業時間が法律で制限されることとなりました。

 36協定の「特別条項」

従来と同じく、繁忙期などで限度時間を超える労働が必要となる場合には「特別条項付きの36協定」を届け出てれば、上記の限度時間を超えた延長時間を設定することができます。ただし、特別条項の延長時間に上限規制があります。また時間外労働が1ヶ月45時間を超える回数は6回以内と定められており、それ以上になると違反となります。

 ① 1年の上限は720時間以内

36協定」の特別条項で定めることができる時間外労働の年間上限は、法定休日労働を除き720時間です。これを超える時間を設定したり、特別条項で定めた時間以上の時間外労働をさせたりした場合は、法律違反となります。もちろん特別条項で1年の上限を600時間と定めているのに、700時間働かせても法律違反です。

 特別条項があっても、月45時間を超えた時間外労働が許されるのは年間で6ヶ月のみです。従って、残りの6ヶ月で時間外労働ができる時間合計は720時間ー45時間×6450時間となります。

 ② 1ヶ月の上限は100時間未満

1ヶ月100時間未満」とは、単月での法定時間外労働と法定休日労働を合わせた時間です。たとえ特別条項を用いて450時間分の延長を定めたとしても、1ヶ月100時間以上の時間外労働・休日労働をさせることはできません。

 ③ 2ヶ月ないし6ヶ月の時間外・休日労働時間の平均は月80時間以内

 1年単位の上限・1ヶ月単位の上限が決まっているだけではなく、2ヶ月~6ヶ月の平均をすべて80時間以内に収める必要もあります。


届忘れの無いようにと注意下さい。届出に関しては、幣所でも15,000円+税で対応させていただいております。必要に応じてご依頼ください。